2010年05月24日

被害者なのに…責任追及の矢面に(産経新聞)

【風・新型インフル】(2)

 「高校生が新型インフルエンザに集団感染したらしい。すぐ走ってくれ」

 昨年5月16日夕、筆者の携帯電話に、社会部デスクの声が響いた。大阪府茨木市の私立高校で約100人が症状を訴え、9人が感染濃厚という。福井支局から大阪本社の社会部に異動してまだ2週間。「いきなり新型インフルエンザとは…」と身が引き締まった。

 その日は深夜まで、茨木市役所で対策会議の様子を取材。翌朝、当該高校に行くと、大勢の記者が集まっていた。みんなマスク姿。「異様な光景だなあ」と思ったが、ふと筆者だけマスクを着けていないことに気付いた。慌てて近くのコンビニに行ったが、すでに売り切れ。店員に聞くと、報道された直後から、急にマスクを買い求める人が殺到したという。

 やむなくマスクなしで取材を始めたが、くしゃみが出るたびに周囲から白い目で見られた。「これは花粉症なのに…」。身の縮まる思いだった。

 この学校では、関係者は特にマスクの着用を徹底し、拡大を防ごうと懸命だった。それでも学校には「感染を隠していたんじゃないのか」「日本中に死人を出すつもりか」など、心ない中傷の電話が相次いだという。

 学校関係者は、感染対策だけでなく「世間の目」も気にしなければならなかった。「生徒や保護者、社会に対してひたすら申し訳ありません」。教頭が何度も謝罪の言葉を述べる姿が痛々しかった。

 「日本中で水際対策が叫ばれていた中、本校の生徒が大量感染した。ふと頭に浮かんだのは、エボラ出血熱などの(激烈な)伝染病。最悪の場合、国中の人が次々と倒れる事態まで考えた」と教頭は振り返る。とにかく、治療法や対応策が分からず、不安ばかりだったという。

 被害者であるはずの感染者が、なぜか責任追及の矢面に立たされた。それは、見えないウイルスに対する社会全体の不安の裏返しだったのだろうか。

 さて、皆さんは当時、新型インフルエンザという“新しい脅威”をどのようにとらえ、向き合っていただろうか。ご意見をお待ちしています。(伊)

Eメール Kaze@sankei.co.jp FAX 06−6633−1940 郵送 〒556−8661(住所不要)産経新聞社会部「風」 お便りには、ご自身の電話番号、年齢を明記してください

【関連記事】
新型インフルから1年 “本物の危機”への対応は?
新型インフル1年 危機管理の教訓にしたい
期限切れワクチン捨てられず…予算なく、いまだ保管中
マスクに殺到、豚肉料理中止… 大企業も雪崩 警戒さらに 
山梨の昭和大で集団感染か 新型インフル、80人余発症
中国が優等生路線に?

地域別に詳細目標を設定=地籍調査の作業促進で―国交省(時事通信)
浜教組の教科書不使用指示 文科省が調査開始(産経新聞)
遺族「社会へのテロ」=秋葉原殺傷公判―東京地裁(時事通信)
劇場効果もそろそろ限界? 来場者も低調に 事業仕分け第2弾(産経新聞)
<交通事故>大型トラック3台絡み1人死亡 愛知・弥富(毎日新聞)
posted by カワハラ ヒデオ at 15:30| Comment(16) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

<パロマ中毒死>11日判決 遺族「安全対策の不備認めて」(毎日新聞)

 パロマ工業(名古屋市)製湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、業務上過失致死傷罪に問われた元社長、小林敏宏被告(72)らに対する判決が11日、東京地裁(半田靖史裁判長)で言い渡される。製品の欠陥ではなく、販売後の改造で起きた事故でメーカートップの責任が問われる異例の裁判だ。死亡した上嶋(じょうしま)浩幸さん(当時18歳)の母幸子さん(56)は「パロマが安全対策を怠ったと判決できちんと認めてほしい」と願っている。

 パロマ製湯沸かし器による死者は85年以降21人。経済産業省が06年に一連の事故を公表して、初めて実態が明らかになった。05年11月に1人暮らしをしていた東京都港区のマンションで亡くなった浩幸さんは、業務上過失致死傷罪の公訴時効(5年)にかからない唯一の被害者だった。

 問題発覚後、幸子さんは150人以上の記者に会い「悲しい思いをするのは自分で最後にしてほしい」と訴えた。消費者庁設置に向けた講演や署名活動にも取り組んだ。「真実を知りたい」と考え、08年12月から34回開かれた公判のほぼすべてを傍聴した。法廷でメモを取ったノートは7冊に上る。

 審理を通じて不正改造の実態を知り、寒気がした。修理業者の間では、内部の配線を変更して自動排気装置が動かないままでも湯沸かし器を使えるようにする改造が横行し、悲劇が繰り返される原因となった。「工具1本で人の命が失われていたとは」。思わず「ヒロ君ごめんね」と心の中でつぶやき、古くなった湯沸かし器を交換しなかった自分を責めた。

 被告人質問では、法廷の最前列で小林元社長の主張に耳を澄ませたが、ほとんど声が聞こえず、事件の重大性を元社長が認識しているとは思えなかった。だが、幸子さんは「裁判を傍聴して良かった」という。「どういう体制の中で事故が起きたか理解できた。元社長は事故を予見できたはずだ」。今は司法の判断を注目している。【伊藤直孝】

 ◇        ◇

 事故では小林元社長と同社元品質管理部長の鎌塚(かまつか)渉被告(60)が起訴された。検察側は、2人が不正改造された湯沸かし器の事故で85〜01年に計14人が死亡していたことを認識しながら回収などの安全対策を怠り、05年11月に上嶋浩幸さんをCO中毒で死亡させ、部屋に来ていた兄孝幸さん(29)にも重傷を負わせたとしている。

 これに対し弁護側は、パロマは修理業者を指揮監督する立場になかった▽修理業者に不正改造の禁止を連絡しており、事故はなくなったと思っていた▽全国的な防止策を取ることができたのは経済産業省だけだった−−などと反論。事故を予見し、回避することは不可能だったとして無罪を主張している。

 浩幸さんの部屋の湯沸かし器を不正に改造したパロマ系列の元販売店員は07年8月に病死している。

【関連ニュース】
未公開株詐欺:被害者救済へ法制度導入を提言 消費者委
枝野担当相:「国民生活センター」訪問 仕分け対象の候補
トクホ:制度存続へ 消費者庁検討会
消費者基本計画:食品表示一元化検討へ 政府、閣議決定
温泉:鉱石やセラミックボール入れても温泉なりません 国民生活センター、商品テスト

首相「すべてを県外は難しい」知事との会談で(読売新聞)
JR3年ぶり増、航空も好調=GW、日並びと天候恵まれ(時事通信)
新潟で震度3(時事通信)
ゴンドラ1時間半宙づり、女性1人が脱水症状(読売新聞)
水上バイク転覆 捜索再開 2人死亡1人不明(毎日新聞)
posted by カワハラ ヒデオ at 17:53| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。